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【自転車安全整備士】心に残る仕事なんだ、自転車販売は。~三輪車を販売・購入する時に気を付けたい事~

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自転車安全整備士をしていると、心ふるえる瞬間に時々遭遇します。

今日はそんなあるご家族のお話しをご紹介します。

 

ご来店されたのは娘さん

「お出かけするのに大人用の三輪車を買ってあげたい」

と、娘さんがご来店されました。

 

ご病気されたおばぁちゃん。

やっと退院して自宅でリハビリ中だそうです。

 

失礼ながらパッと見た感じ、娘さん50代半ばから後半ぐらい。

 

「足が悪いので安定して乗りやすい三輪車をプレゼントしたい」

 

この娘さんのように

三輪車をけっこう乗りやすいと思っている方が多い。

 

それは全くの逆なんです。

 

三輪車は特段、難しい商品

スポーツ車や電動自転車は知識さえ有れば説明できるけど、ママ用の自転車や、三輪車は人による部分が大きいから知識があるだけではダメな、めちゃくちゃ難しい商品なんです。

 

この状況は、美容師さんに電話で「ボブはどうやって切ったらいいですか?」って聞いているようなもの。

その人を見ずに説明するにはちょっと難しいんですよね…。 

 

おばぁちゃんはどれぐらい足が上がるのか。 

ご病気されていたとの事だったので、手や足の力はどれぐらいあるのか。

とか。

 

曲がる時の落とし穴

自転車って、普段私たちは気にせず乗ってますが、体重移動で乗ってます。

ハンドルを曲げたら曲がっているように感じてますが、ハンドルはバランスとりやすくするために添えてるイメージで普通の自転車を運転してるんですよね。

 

三輪車の場合は、逆に手のハンドルさばきだけで方向転換します。

手のちからが必要なんです。

 

大人用の三輪車の値段は

安い重たい鉄フレームの物であれば4万円ほど。

アルミフレームの軽いメーカー車になると5~6万ぐらいです。

軽いと言っても、持ち上げようと思ったら上がらないぐらい重たいです。

 

値段が値段なので、

「ご来店は難しそうですか?」

と、来てもらえないか相談しました。 

 

次回の病院の帰りに寄ってもらえる事になりました。

 

クレームも多い 

接客したにも関わらず、デメリットをしっかり説明せずに売ってしまうとクレームも多いのが事実です。

 

お金の価値は人それぞれだと思うんですけど、私は1万円の価値ってとっても高いと思っています。

それを5~6万も出して購入してもらう訳じゃないですか。

お客さんからしたら「ちゃんと説明せぇよ。」って話し。

 

それに、5~6万の返品くらう方が怖くないですか?

返品くらった商品って中古になるから売れないんですよね。

 

こんな高い買い物で「お前に要らんもん買わされた!!」って言われたくないですよ。

だから、私はしつこいぐらい乗られる方の話を聞きます。

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購入いただいたのはママチャリ

おばあちゃんがご来店くださいました。

身長は160センチぐらいの細身の体形。

 

体力、握力、脚力。

これから復帰する見込みがあるのか。

 

普通のママチャリを乗らずに押してもらいました。

次に、アルミフレームのママチャリを押してもらいました。

最後に、三輪車を押してもらいました。

 

その時点で三輪車の操作のしにくさを体感してもらいました。

 

普通のママチャリをマタイで座ってもらいました。

次に、アルミフレームのママチャリをマタイで座ってもらいました。

最後に、三輪車をマタイで座ってもらいました。

 

またぎやすいのは、三輪車のようでした。

 

実際に

三輪車に試乗てもらいました。

 

乗っていただいて私が感じたのは、

足の力はありそうだな。

腕の力がどうやら弱そうだな。

と、いった感覚でした。

 

「どうですか?

動かしたり、乗ってみたりする時に、不便だなとか違和感はありませんか?」

 

何とも言えない表情をされていました。

 

きっと違和感があるけど、上手く言えないんじゃないかな。

と、感じた私は、

 

普通のママチャリはマタギにくそうにしていたので、

フレームのまたぎ口が深い

アルミフレームのママチャリも試乗していただきました。

 

アルミフレームは軽い。

アルミフレームは車体が軽いだけでなく、

商品によるんですけど、ギア比の関係で、こぎ味も軽く感じます。

 

娘さんはコケる心配をされて「三輪車」と言っていたんですけど、

ご本人さんが動かしにくそうにしているのを見て

総合的に「乗りやすそう」だと感じて貰えた

アルミフレームの24インチの自転車を購入いただきました。

 

だから接客はやめられない

私が、そのおばあちゃんの立場だったら…?

めちゃくちゃ考えて接客してました。

 

「接客につくと緊張しちゃうんです」って後輩もいてたんですけど、

要らん事言って大物の商品逃したらって思うみたいなんですよね。

 

私の居た自転車店は、

いくら売り上げても給料は定額やったし、

電気屋さんみたいに個人ノルマもありませんでした。

 

相手の事を考えて、

うちの自転車屋で買わない方が良い場合は

はっきり伝えていました。

 

「是非、よそも見てきてください。

そっちの方がよかったら、そっちで購入してください。

その代わり、うちで修理や整備はさせてください。」

 と。

 

自転車だけは販売店で買ってほしい

最近では、ネットで自転車を購入できるようになりましたよね。

何でもいいなら、ネットで購入しても全然いいと思うんです。

 

だけど、

自転車ってやっぱ高い買い物じゃないですか。

失敗したくないなら、

販売店で購入する事をおすすめしますね。

 

アルミフレームのおばあちゃん

そのご家族さん、お孫さんの自転車まで私を指名して購入くださいました。

修理に来てくれた時も「お姉ちゃん、座るところが滑るんやけど…」と悩んでる事を私

が聞かなくても話してくれるようになりました。

 

それが何より嬉しかった。

認めて貰えてる気がした。 

 

だから接客はやめられない。

 

相手にも、自分にも 

心に残る仕事なんだ。

 

自転車販売は。